古民家 #06
築129年の昔ながらの田の字の立派な牛梁のある民家の改修工事をご紹介します。
経年により柱足元の湿度や蟻害で腐食が激しく構造が成り立たない状態だった為、基礎から屋根部までの大規模改修となりました。
耐震、耐久性能の向上の為、束石から取り換え、朽ちた部分は取り除き「金輪継」で蘇らせています。後世にもこの家を残す為に時間をかけ基礎、構造からしっかりとやり直しています。吹き抜けを造り、簡単に開閉できる建具で温度調節や日差しをコントロールし、また、二階は物置で何十年と上がったことのない空間が見違えるような快適な部屋に仕上りました。
玄関も酒屋をしていたころの店のままだったのが、嘘のようです。
所在地 | 滋賀県長浜市 |
新築竣工年(築後年数) | 1891年(129年) |
総工事床面積 | 143.69㎡ |
性能向上の特性 | 耐震、耐久性能、バリアフリー、温熱性能 |
特に配慮した事項 | 三世代でお住まいの為、できるだけバリアフリー化するなどの配慮をしています。また、思い入れのある家の佇まいは変えずして現代の生活との融和を考えています。 |
128年前の欅柱にはくり抜いたかのような虫食による腐食。金輪継で補強しますが、中まで空洞が酷い柱は四隅を囲い、さらに補強します。
計10本の柱継をし今後100年、家を支え続けます。
酒店を営んでいた頃のままになっていた玄関
二階は物置で何十年と上がったことのない空間でした。
建物内では1Fから2Fへと上昇気流が生じる為、自然対流を利用し建具の開閉をすることにより、夏は涼しく冬は熱を逃がしません。
魚の骨の形のようなはしごをかけ子供達も楽しく上り下り。